整骨院の正しい会計について
2015.08.10
カテゴリー:【治療院経営】今冨貴夫
ご挨拶
日頃よりご愛顧賜り誠にありがとうございます。
株式会社ラポールスタイル代表今冨貴夫です。
治療院経営ブログは、治療院経営において最も価値の高い情報をより多くのクライアント様に情熱を持ってお届けするブログです。
治療院の先生方にご満足頂けるような他社には真似できない情報を無償にて提供させて頂きます。
【本日の議題】整骨院の正しい会計について
本日のブログでは整骨院の先生が苦手とする
整骨院の経理戦略についてお話させて頂きます。
唐突ですが整骨院を法人化されている先生と
個人事業主で展開されている先生どちらの
先生の方が多いと思いますか?
答えはもちろん個人事業主で整骨院を
展開されている先生の方が圧倒的に多い傾向にあります。
整骨院を法人化するメリットは大きく分けて2つです。
(※あくまでコンサルを長年やってきた個人的意見です。)
1.社会的信用度の向上
(集患には関係なし)
2.求職者の獲得に有利
反対に整骨院を法人化するデメリットも2つあります。
1.社会保険加入必須
2.キャッシュフローの悪化
法人化するかしないかは先生の判断に
任せますが、求職者のことを考えると
法人化することは良いのかもしれません。
ただ肝心のキャッシュフローが悪化することで
倒産している整骨院も、
ものすごい勢いで増えてきております。
個人事業主であろうが法人であろうが
患者様に継続して治療院を利用して頂くためには
売上ではなく利益を追求しなければなりません。
つまり徹底して経費を削減し、手元に残るお金
(利益)を増やし続けなければならないということです。
そこでさっそく整骨院の先生に合わせた
BS/PL(経理の重要な指標)について解説していきます。
以下の【図1】をご覧下さい。
こちらの図はBS(バランスシート)と呼ばれております。
(※経理に詳しくない先生もおりますので
当たり前の話ではありますがご容赦下さい)
整骨院の運営で関係ないと思われる項目には
×印をつけております。
※棚卸資産とはざっくり説明すると在庫のことです。
整骨院には在庫は基本考えにくいので×をつけております。
※有形固定資産や無形固定資産も
土地やソフトウェアなどの資産になりますので
ほとんど該当されないかと思います。
続けてもう少しわかりやすい図2をご覧ください。
右側が先程から説明しているバランスシートに
なりますが、整骨院の先生に最も関係あるのは
負債(借金)=借入になります。
良い経営をするためにはBS(バランスシート)を
安定させることが大切であります。
つまりリース契約などで毎月支払う金額(負債)を
増やしたり、HPの管理費用で月額1万円以上支払ったり
借入金を増やしすぎたり償却年数が長い減価償却を
行うことは良くないということです。
今からお伝えすることを必ず確認して下さい。
リース契約が15万円を超えていないか?
HPの管理費用が1万を超えていないか?
借入金を増やしすぎていないか?
減価償却が長い年数の商品を購入していないか?
続いてPL(損益計算書)の説明をしていきます。
私は経営コンサルティングでPLの改善を
徹底してクライアントに伝えております。
ほとんどの方が収益が上がれば税金対策を
するために経費をたくさん使うよう税理士に指導を受けます。
私は断固反対です。
経費を使うことは悪いことではありませんが
使うことによって確実に内部留保(現金)が減ります。
余談ではありますが整骨院を経営している先生で
1000万以上常に整骨院の銀行口座に
預金をしている先生を私はほとんど見たことがありません。
短期的なビジネスで考えるのであれば
経費はたくさん使った方が良いと思いますが
長期的な目で考えることができるのであれば
現金を手元に残し、そのお金で更なるビジネスへの投資を
した方がレバレッジも高いはずです。
つい最近社員に向けて私はこのようなメッセージを送りました。
社員に向けたメッセージ
格闘技イベントを見ていて感じたことがある。
格闘技も会社経営とすごく似ている。
格闘技で行うことは二種類。攻撃と防御。
一流の格闘家は攻撃もすばらしいですが防御もピカイチ。
特に日本のボクシングにおいては防御がピカイチで
世界のパワーヒッターに打ち勝っている。
以前から伝えているように 大企業といえでも
この10年で倒産する企業は山ほど増えてくると思う。
ではこの倒産を事前に防ぐことはできないのか?
社会情勢的なこともあるので防ぐことができる企業もあるが
防ぐことができない企業もあると思う。
では、ラポールのような中小企業はどうなのか?
客観視して判断しているだけなので
脅しているわけでもなんでもないが当たり前のように
大手企業よりも中小企業のほうが重要視されないことを考えると
大手企業よりもさらにリスクヘッジ(防御)を
強化していかないといけない。
では中小企業における防御とはどのような意味合いなのか?
1.経費
2.顧客の信頼
1.経費
これから押し寄せてくる波に対して耐えられる習慣を
つけておかなければならない。
現在私以外のスタッフがかかわる経費は
備品などの経費のみ。
ただ昨年と比べると従業員数は増えていないのに
経費が2倍になっている。
年間でたかが15万円程増えたと考えるのが
一般的であるが防御という面から考えると
この件に関してはより意識をさせることが
ミーティングでできておらず申し訳ない。
私はこの会社を長期的に見ているので
皆さんにとってはどちらが懸命な判断なのかは
理解できると思う。
※予断な話ではあるが、これは個人の人生に
おいてもいえることがある。
これから先、親の介護等で自分の自己資金を
捻出することがあるかもしれない。
自分の大切な人を守るために何があっても
問題ない準備をしておく=防御能力を
より身につけることは必要不可欠であると私は思う。
2.顧客への信頼
顧客への信頼については企業において
もっとも必要な事項である。
会社は顧客があって利益を得ることができる。
顧客がいなくなれば会社は存続することができない。
あるアイドルがお客様は神様です。
といった一言が耳に残っている。
これは建前上いったのかもしれないが
そのような気持ちでお客様と接することが
大切であるということをより意識づけるものとなったと思う。
防御能力を身につける=BSPLの改善を
徹底しなければならないことを
少しでも意識づけることができれば幸いです。
先生が良い服を着てようがかっこいい時計を
つけていようが綺麗な家に住んでようが
社員にとっては全く関係ない話です。
私は社長が自己解放することも大切であると思いますが
まずは社員がより働きやすい環境を作ることに
注力するべきであると思います。
社長の夢を先行させるのではなく
社員の夢を先行する整骨院を一緒に目指しましょう。