倒産する治療院の特徴
2019.11.08
カテゴリー:【治療院経営】今冨貴夫
倒産する整骨院の特徴
治療院経営コンサルタントの今冨貴夫です。私は2007年から整骨院・鍼灸院を専門に経営コンサルティングを行わせて頂いており、多くの整骨院・鍼灸院と関わってきました。その中で倒産する治療院には共通した特徴があります。本日のブログでは倒産する治療院の特徴をピックアップさせて頂きますので是非参考にして頂けますと幸いです。
倒産リスクが高まる要因1:分院展開
多くの治療院経営者は分院展開が最も倒産リスクが高まる要因であることにいち早く気づかなければなりません。分院を展開すること自体は悪いことではないのですが経営者としての能力が足りていない中での分院展開は自殺行為と言っても過言ではありません。スタッフ、店舗を増やすことで売上を増やすという仕組みではなく、一人当たりの生産性を高め、一店舗当たりの利益率を高めることで売上・利益を増やす仕組み(ビジネスモデル)を優先してください。
★分院展開を行っても良いタイミング
売上を上げるために分院展開を行うのは最も良くない考え方です。分院展開を行っても良い適切なタイミングとは社員が成長し、その社員が将来のために院長としての経験を積みたいと考えているのであればとても良いタイミングです。あくまで売上のためにではなく、社員のためにチャンスを与える機会創出の目的で出店を行ってください。仮にマニュアルがしっかり整備されており、1年~3年の研修で分院長を任せられまで成長できたとしても売上を目的とするのであれば出店は絶対に控えるべきです。治療院経営は短期目線ではなく、長期目線で考えられる力が必要不可欠です。
倒産リスクが高まる要因2:院長(経営者)が現場にいない
治療院を成長させるために継続して勉強を行うことは大切なことです。ただ、勉強会や交流を深めるための異業種交流会に参加してばかりで院長(経営者)が現場に出なくなるケースをよく耳にします。現場から卒業することは悪いことではありませんが現場に出る回数が極端に落ちるとスタッフの離職率が急激に高まります。「治療院の為に外部で勉強をしてくる」ことに「社員は何も関心を持っていません」。社員は院長(経営者)の背中を見て育ちます。目指すべき背中がなければ治療院に残る意味もなくなるということを絶対に忘れてはいけません。
倒産リスクが高まる要因3:過剰な設備投資(バランスシートの悪化)
経営にはBS(貸借対照表)、PL(損益計算書)という重要な指標があります。特にBS(貸借対照表)に対して間違った見解を持たれている方が多く過剰投資をしてしまっていることが倒産リスクを高めています。例えば「新しい医療機器・治療器具の導入」「治療院店舗の過剰な内装」などがこれに該当します。もちろん患者様のことを考えればより良い治療環境を提供するためにお金を投資することは大切なことです。ハイテクな医療機器・治療器具があれば素人でもある程度の治療結果を出すことができます。ただ裏を返せば誰にでもできることなので、離職率増にも繋がります。反対に手技力向上に力を入れている店舗の方が離職率も低いですし、BS(貸借対照表)のバランスも良い傾向です。結論、成長率を高めすぎると倒産リスクは急上昇しますので過剰投資には十分留意してください。
倒産リスクが高まる要因4:立地選定が甘い
治療院経営は立地が命といっても過言ではないぐらい重要です。柔道整復師養成学校および整体スクールでは立地選定の授業などは一切ありませんので「勝負できる立地選定」を行うことは不可能に近いと思います。立地選定で最も重要な事項を列記しましたので是非ご確認下さい。(※すでに出店されている方は場合によっては移転も検討してください。)
まとめ
まとめると過剰な成長が倒産リスクを高める大きな要因になります。店舗も増えれば全体売上も上がりますので会社が成長しているように感じますが本当に大切なことは「患者様に喜ばれながら利益を増やすこと」です。「負債を増やすこと」ではありません。ですので「年商(売上)」という悪魔の数字を無視し、「患者満足度」「利益率」に注力して頂けますと幸いです。
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