JR東日本、ヤマト運輸で実施する「朝だけ」「夜だけ」勤務
2018.06.01
カテゴリー:【治療院経営】今冨貴夫
ご挨拶
株式会社ラポールスタイル代表今冨貴夫です。治療院の人材獲得に苦戦している方が多いこのご時世。大手の治療院が相当数の人材を獲得していく中、小さな治療院が人材を獲得するためには何が必要なのかについて本日のブログでは紹介をさせていただきます。
JR東日本、ヤマト運輸で実施する「朝だけ」「夜だけ」勤務
新聞記事にありますようにJR東日本は2018年度末を目途に運転手や車掌が朝のラッシュ時だけ短時間乗務ができるよう制度を改めることを発表しました。同様にヤマト運輸も2018年12月迄に宅急便の再配達が多い夜だけ働く社員を確保することを発表しました。両社に共通するのは「忙しい時間帯だけ人材を確保する」といった企業にとって好都合な条件です。私はこのような制度は治療院にも活きてくると考えております。
3年離職率31.9%
厚生労働省が公表した就職者の3年後離職率は平均で31.9%になります。(医療、福祉の離職率は38.4%)就職してから3年以上経つと、ライフプランの変化により仕事を変えなければいけない、または辞めなければいけないという事情が出てきます。ただし3年未満の場合、企業側の条件・仕事内容や人間関係を理由に離職する人が圧倒的に多い傾向があります。厚生省が発表した数字を見てわかるように約3分の1が三年で離職するのであれば制度そのものを見直す必要があるのではないでしょうか?
2クール制の整骨院
私がコンサルティングをさせて頂いている埼玉の整骨院では、8時~16時のアフターファイブ充実型勤務と14時~22時の夜型勤務の二種類の勤務体系を設けております。今までの治療院のスタイルでは考えられませんが求職者の募集がとてもうまくいっております。また3年以上勤務した先生には1ヵ月間の長期休暇をプレゼントする治療院も存在します。他の治療院では実践していない職場環境が社員のハートを射止める時代に突入しているといっても過言ではありません。
働き方改革について
安倍晋三首相は2016年9月、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置し、働き方改革の取り組みを提唱しました。労働力人口は、第二次ベビーブームに生まれた団塊ジュニアが労働力として加わった24年前がピークで、平成7(1995)年には8000万人を超えていましたが、それ以降は減少の一途をたどっています。
引用:国立社会保障・人口問題研究所HP
国立社会保障・人口問題研究所が発表した出生中位推計の結果によれば、生産年齢人口は
平成25(2013)年には8000万人
平成39(2027)年には7000万人
平成63(2051)年には5000万人を割り、平成72(2060)年には4418万人となる見込みです。このままでは、国全体の生産力低下・国力の低下は避けられないとして、内閣が本格的に「働き方改革」に乗り出しました。働き方改革は生産性向上がテーマとなりますので、生産性が低い企業から生産性が高い企業に人材を流動させることが一番の狙いです。裏を返せば生産性が低い企業は倒産しても良いといった考え方でありますので、長時間治療院を運営し、長時間社員を拘束する治療院の経営スタイルでは成り立たなくなる可能性があります。だからこそ今のうちに治療院の労働環境を見直し、働きやすい環境を作ることを始めていきましょう。
労働時間が減少したら売上が下がってしまう…
労働時間が減少したら売上が下がってしまうので労働環境を改善したくてもできないと考えられている先生も多いと思います。私は今まで多くの治療院のコンサルティングをさせていただいておりますが、営業時間の短縮=治療家の自己解放に繋がると考え、営業時間を短くすることもテーマにさせて頂いております。実は営業時間を短縮してもほとんどの治療院は売上が下がりません。もちろん新規患者数がある程度コントロールできていることが条件になりますが、自然と生産性が上がる傾向があります。
今すぐにKJ法を実践してください
今すぐに治療院の業務一覧を紙に記載(KJ法)してください。そして業務一覧の中で必要ないもの・時間を短縮することができるもにに○印をつけてください。例えば治療院の電話対応についても予約サイトを導入できれば電話時間の短縮を図ることができます。紙に業務一覧を記載することで業務内容の整理を行うこともできますし、生産性が高いスタッフがやらなくても良い仕事を他のスタッフに委任するきっかけにもなります。生産性を高めることがこれからの時代を生き抜くために必要なテーマとなりますので、ぜひ永続的に患者様に選ばれるためにも実践して頂けると幸いです。